| Top pageR-Data retouchLevel correct |
フォトショップ, 使い方
より速く、より的確な画像データの整理・編集に最低限必要な知識とテクニック。

少しでもデータの劣化を防ぐ為にはどのようにすればよいのか?。
フォトショップを使う際の画像データの正しい取り扱い方、適切な補正方法などを紹介。

■ 『明るさ・コントラスト』の弊害

 ライト側が真っ白。シャドー側が真っ黒。たま〜に、そんな写真を学会発表などで見かけます。
 大方、コントラストの低い写真を無理して使用しているのでしょうが・・・。あまり見た目に美しくはないですよね。
 よもや、こんな画像で画像解析など行っていないことを祈るばかりです。

 画像を明るくしようとした時や、コントラストを付けようとして「明るさ・コントラスト」を使う人が多くいます。でもよく考えて下さい。

 あなたは「明るさ・コントラスト」が何をしているか説明できますか?
 あなたは「明るさ・コントラスト」を別の機能で再現できますか?

 実は、明るさコントラストには大きな落とし穴があるのです。
 アナタは「明るさ・コントラスト」機能の弊害をご存知ですか?


■ 明るさ・コントラストの使い方

 では、実際に「明るさ・コントラスト」を選択してみましょう。
 「イメージ」→「色調補正」→「明るさ・コントラスト」を選択すると次の様なウインドウが開くはずです。

明るさ・コントラスト

 ここで「明るさ」と「コントラスト」を調節できることが分かりますね。「明るさ」のスライダ(△)を右に移動すれば明るく(下図:右方向)なり、左に移動すれば暗く(下図:左方向)なります。実に分かりやすいメニューです(^^;。皆が使いたくなるのも良く分かります。
 次に、「コントラスト」のスライダ(△)を右に移動すればコントラストが付き(下図:上方向)、左に移動すればコントラストが弱く(下図:下方向)なります。これもとても分かりやすいですね。

比較

 「明るさ」と「コントラスト」の2つを同時に動かすことで、手軽に画像を補正できます。多くの場合は2つとも右にするか、2つとも左にするかで良好な結果が得られることが多いようです。ま、ケースバイケースですけどね。


■ 明るさ・コントラストの弊害について

 さて・・・。作業も簡単だし、分かりやすい。何の問題ないような気もしますが・・・。先ほども言ったように、ここには落とし穴があります。
 「コントラスト」の項目で行っている作業をトーンカーブで示すと下の様になります。
(コントラスト+20)


 明るい所はより明るく(70%→80%強)、暗いところはより暗くなる(30%→20%弱)ことが分かります(青矢印)。トーンカーブの傾きがキツイ程コントラストは付くといえるので、確かにコントラストはアップしてると言えます。
 このように、元からある画像のデータの外側を絞って行くだけならコントラストの強調などに役立ちますが、画像の階調のコトなど何も考えずに適当に動かすと元々はあったはずの調子(階調)が失われてしまう可能性があるのです

 要約するなら「明るさ・コントラストは、不必要に「真っ黒」や「真っ白」の領域を広げてしまう」、ということです。
 それだけでなく、下手するとハイライト(白色)に色が入ったり、シャドウ(黒色)がグレーになったりする危険性すらあります。

 ヒストグラムの項で説明したように、「白トビ」「黒ツブレ」はご法度です。何も考えずに「明るさ・コントラスト」を使用すると、知らない間に「白トビ」「黒ツブレ」を作っていることになってしまっているのが分かって頂けるかと思います。もちろん、「白トビ」「黒ツブレ」になる一歩手前で三角のカーソルを止めればいいのですけど。

 大抵の人は、「こんなモンかな?」と適当に動かしているようです。
 これではロクな画像になりません。

 バックグラウンドがつぶれてしまった方がキレイに見える画像、蛍光試料の画像など、もある訳ですが・・・。「コントラスト」を使用した時は自動的にハイライト側も詰まってきているので注意しないといけません。

 あなたは知らない間にデータを破壊していませんか?

 デジタルデータの修正は基本的に不可逆です。一度「白トビ」「黒ツブレ」してしまった画像は元に戻りません。(ヒストリー機能を使える状況や、元データが残っているなら可能ですけどね。)お手軽で分かりやすい機能ですが、要注意な側面が潜んでいることが分かって頂けたと思います。

 もちろん、キチンと理解した上で使用するなら何も問題はないのですが・・・。
 どうも、目先の手軽さだけで「明るさ・コントラスト」の機能を使用している人が非常に多いのが現状なのです。

 ではでは・・・。
 同様に…「明るさ」の項目はどんな作業をしているのでしょうか?
 下の図は「明るさ」を+20にしたのもです。


 注目したいのは「明るさ」を+にした時のシャドー(上図:左下)や−にした時のハイライトです。「明るさ」をプラス方向に持って行くとシャドー(一番暗い部分)が明るくなり、マイナス方向に持って行くとハイライト(真っ白な部分)に色が入り(暗くなり)ます。
 もちろん、その反対の色には「トビ」「ツブレ」の可能性がありますよね。

 要するに、テキトーに調節してしまうと「ハイライト」はハイライトでなくなったり、「シャドー」はシャドーでなくなっったりしてしまう。というコトです。

 こうなってしまうのを抑える為に、みんな一生懸命に「明るさ」と「コントラスト」のバランスを(見た目だけで)整える訳ですね。実際に自分がいじった後の画像のヒストグラムを見てみて下さい。大変なデータになってしまっている可能性がありますよ。

■ 今回のまとめ

 「明るさ・コントラスト」の機能を使用する際には、データの「トビ・ツブレ」に気を使い慎重に行う。
 作業の合間に「ヒストグラム」を確認する癖を付けよう(特に、CSユーザーならヒストグラムパレットは大いに役に立つはずです!!)。両端(シャドー・ハイライト)の成分が極端に多いデータは要注意!

<注>
ここでの「明るさ・コントラスト」に関する解説はフォトショップにおける機能の説明です。他のソフトウェアにも「明るさ・コントラスト」に類似した機能があるものが多いですが、そのまま適用できるという保障はありません。大概は似たようなものではないかと考えていますが・・・。





■ メルマガ ■

素人が知らないフォトショップに関するテクニックを紹介しています。

作業効率アップの為に知っておくと便利なtipsを紹介していきます。

まずはメルマガ内容紹介をご覧下さい。

あなたのE-mail




miniコラム
トーンカーブのショートカットはCtrl+M、レベル補正はCtrl+L。では…明るさ・コントラストのショートカットは何でしょうか?

じつは、同じ色調補正のツールでありながら明るさ・コントラストにはショートカットがありません。

今回は「明るさ・コントラスト」の弊害と題してお話しましたが、この「ショートカットが割り当てられていない」という事実は、開発元のAdobeも使用することを推奨していないというふうに解釈できるのではないでしょうか?(言いすぎかな?)

「明るさ・コントラスト」で可能な補正は「レベル補正」で行え、「レベル補正」で可能な補正は「トーンカーブ」で行える。というトーンカーブ万能理論もあります。
1ランク上の修正を目指すなら明るさ・コントラストを使っている場合ではありません。

「明るさ・コントラスト」が大好きなあなたも今日から「明るさ・コントラスト」を卒業してみてはいかがでしょうか?